アルバム・デビュー前から「今年もっとも印象的なデビュー」と
ニューヨーク・タイムスも太鼓判を押したというブルックリン発の4人組ヴァンパイア・ウィークエンド。その先走り気味な騒がれっぷりだけでも、このバンドが年内にアーケード・ファイア、クラップ・ユア・ハンズ・セイ・イェーらに続く「インディ好きのアイドル」として注目を浴び愛されるのは間違いなさそうな気配だが、この3曲入りデビューEP(レコーディングもメンバーが担当している)は確かに良くできていて、センスのあるバンドだなあと感心させられた。
コンゴのダンス・リズムにちなんだタイトルを持つ1曲目「Cape Cod Kwassa Kwassa」は、アフリカン・ビートとクセになるギター・リフを使った軽妙なポップ・チューン。エレピやシロフォンなど徐々に音数を増して盛り上がっていくアレンジも上手いし、さりげないのに知的な作りにノックアウトさせられます。ニューヨーク出身のバンドでアフリカン・ミュージック・・・と言えばトーキング・ヘッズが思い浮かぶわけだけど、このサウンドのテクスチャーは「Remain In Light」の緊張感よりも、むしろハイライフ・ミュージックやポール・サイモンの南アフリカ賛歌:「Graceland」が持つリラックスしたふくよかさ&ポジティヴなポップネスと共鳴している。抜群なコーラス・リフ「Feel So Natural/Peter Gabriel Too」(思わず頬が緩んでしまう、このお茶目なリフだけでも聴く価値あり!)からも彼らがアフリカ音楽とロックのクロスオーヴァーにオマージュを送っているのは感じられるけれど、過去数年続いている80年代リヴァイヴァル組の多くがストレートにNWサウンドをなぞっているのに較べ、ヴァンパイア・ウィークエンドにはたとえばスクリッティ・ポリッティやヤング・マーブル・ジャイアンツ、ACR、あるいはトーキング・ヘッズが「脱パンク」の課程として非ロックなサウンド(レゲエ、ファンク、アフリカン・ビートなど)を追究したように、ダイレクトに「影響源」に向かい自分達の個性に取り込んでポップなアマルガムに仕立ててしまうような、いい意味での無邪気さ/大胆さがある。とにかく、あの猫も杓子も・・・なしゃかりきディスコ・ビートを使わないところだけでも、このバンドは新鮮だと思う。
アップ・テンポな②(7インチ・シングルではB面)は「ストロークス以降」を感じさせるシャープ&コンパクトなギター・サウンドのインタラクションが見事だし、地味ながら③のメロディもいい。バンドのウェブサイトでEP未収録曲などもストリーミングもされてるので、ぜひチェックされたし(この音源は自主制作盤だが、次のシングル~来年1月リリースのフル・アルバムはXLから出るようです)。にしても、すごく80年代英国インディ・バンド的な感性を持つバンドだけど、今のイギリスに実際こういうブリリアントなセンス(=冒険心や好奇心)を持つ連中が少ないのは、皮肉というかちょっと残念な話・・・。
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